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「間違っていた」2

写真と本文は関係ありません


「間違っていた」

帰る途中でうずくまっている女を見つけた。

いつもなら興味も持たないが、ふと魔が差した。

「おい、こんなとこで何やってんだよ!」

15歳の俺は女のことをまるっきり分かっていなかった。

ドブくさい臭いが漂う私鉄駅近くの商店街。

その女も同じくらいの歳に見えた。

明らかに未成年のくせにやたらと酒臭かった。

表通りから一本入った裏道で、それは店の裏側になる。

雑然と積み上げられた段ボールにビール瓶や酒瓶が突っ込まれている。

俺の時計は死んだ親父が着けていた腕時計だ。

そいつを見たら午前2時だった。

「しかたねえな…」

居酒屋の店の裏側で拾った女。

この女、やれるかな?

ガキの俺はそんなことを思いながらゲロまみれの女をかついだ。

力を抜いた人間はとにかく重い。

なんとか女をおぶって、薄暗い裏通りを歩き始めた。

背中が生暖かくなった。

女の尻を支えていた手にじわっと湿り気が這った。

湿り気は思いのほか勢いを増して女の太もももびしょ濡れになった。

俺から見ればかなり趣味の悪いワンピース。

それを着ていた背中の女がしゃべった。

「気持ち、悪っ…」

女はいきなり飛び降りて思いっきり吐いた。

俺はそれがおかしくてしばらく大笑いしていた。

道の脇で女の背中を撫でてやったら、俺をじっと見ながら言った。

「あんた、誰?」

その聞き方に俺はまた爆笑。

すっかりやる気がなくなった。

間違っていた…。

酔った女だからって、そんなに簡単にはやれない。

だって、俺にその気がなくなってしまうんだから。

道端に倒れていた女を助けたら、抱けるかと思っていた。

しかし、そんなシナリオにはならなかった。