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「入り口を変えるブランディング」2

写真と本文は関係ありません

「入り口を変えるブランディング」2

【おさらい】

私はマーケティングを然るべき機関で学習したわけではありません。
あくまでも今までの仕事を通じて、自分なりに経験したことを関連図書と照らし合わせてきただけです。
ですから体系的にマーケティングを語る、などということはできませんし、それをしたいわけではありません。
もちろんブランディングについても同じです。
全て仮定として出発しています。
他のどんな筆者とも違う「ブランディング論」だと思います。


言い訳をしたところで、ここからは「おさらい」をしたいと思います。
おさらいの始めはランチェスターの法則、などで有名な人の話です。
この人、ランチェスターさんはイギリス人で、そもそも自動車の製造や開発を行い、後に航空機の設計などを
していた人、らしいです。
私が読んだ本には、自分が設計した飛行機(戦闘機)が敵機と空戦をする際に、その飛行機の持つ性能を
できるだけ活かした戦い方を考えた、とのことです。
いわゆる戦闘機と呼ばれる飛行機には、各々性能に違いがあります。
上昇性能に優れている、あるいは旋回性能に優れている、などなど。
であればその性能をできるだけ活かした戦い方(空戦)をしたほうがいい、
ということです。
そこから着想を得て戦争における戦い方を数理的に解析した「集中の法則」を元に「ランチェスターの法則」を
第一次世界大戦が勃発した1914年に発表。
ま、小難しいことは分かりませんが、いかに合理的な戦いをして敵に勝つか、という戦争時における戦略を
考えたわけです。
詳細は省きますが、ちゃんと数理としての方程式が存在していますから、興味のある方は調べてみても
いいかと思います。

このようなことからマーケティング概念について、多くの人が研究するようになるわけです。
ところで、ここにもけっこう曖昧な部分があります。
それは同じ軍に属する戦闘員の資質・戦闘力を等しいものと定義していることです。
あるいは武器の性能(保有数)は数値化していますが、それを使う兵隊の能力は数値化されていません。
当たり前ですよね。
ひとりひとりの性格や特性などはデータ化できないからです。
要するに、偶然と呼ばれるものがどれほどの頻度で起きるのかは予測できないからです。
これは、割り切れないものと言ってもいいかもしれません。

と、ここまで読んでいただけた方は気がついているかもしれません。

そうです。
あたかも「ミッション」「ビジョン」「バリュー」そして「パーパス」で可視化でき、それによって構築
できると思われている「ブランディング」は、やはりマーケティング概念を進めたものになっているのです。

マーケティングの素人のお前に言われたくないわ!
そう思われている方々には謝っておきます。
「ごめんなさい」

さて、ここで何が言いたいか、と言うと。

宇宙人がいたとします。
その宇宙人が地球を襲おうと考え、地球人のことをマーケティングしようと思いました。
さまざまなことやモノを数値化していきます。
あるとき、ピカソの絵を発見し、それを数値化してみました。
先ず白布、キャンバスです。
そして油絵の具、それから筆など画を描くために必要となる諸々の道具。
描き上がるまでに掛かった労働としての対価。
結果、それは(仮にですが)10万円(地球にある日本国通貨で換算した場合)と算出されました。
ところが地球人はそれらピカソと呼ばれる画家が描いた絵画作品を数十億円で取り引きしていました。

割り切れんやないか!
地球人、クレージー!

こんなところでしょうか。

「マーケティング」を考えるのであれば、それらの数値化は大きな力を持ちます。
しかし「ブランディング」を考えれば、やはり数値としては把握できない部分こそに成功の秘訣が
隠されているように私は思います。

追記するのであれば「勝つ」「負ける」という判断基準だけでものごとを突き詰めていくと
「人道的観点」というものとのせめぎ合いになりかねません。
それは戦争に勝ちたいのであれば核兵器を使えばいい、という理屈と同じです。


次回は「ふたつの視点」について書きます。