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【フリーランス−2】

マンジャの塔から見たシエナの街並み


今、この原稿を書いているのは4月
20日です。

2020年の4月は世界をパンデミックに
陥れたコロナ渦の真っ最中です。

とにかく早く治療薬が作られて、少し
でも多くの方々の命が救われることを
願わずにはいられません。


さて、フリーになってからのことを
思い出しながら書いていますが、
いちばん遠くまで行ったロケはヨー
ロッパでした。

その仕事は先ずイタリアに行って、
それからイギリス、フランスを巡る
というものでした。

最初に向かうのはイタリアのフィレ
ンツェです。

これは、イタリア・トスカーナ州の
写真を撮影してくるという仕事でした。

街や風景の写真を撮ってくるという
ものだったので、私がポジフィルムで
撮ることにしました。

(実は写真家に憧れたことも一時
ありました…笑)

レオナルドダビンチ空港(フィウミチ
ーノ空港)で乗り換えて、フィレン
ツェ空港まで行きました。

乗り換えで乗った飛行機は小さなジェ
ット機でしたが、フィレンツェ空港も
びっくりするほど小さな空港でした。

まるで地方の木造でできた鉄道駅の
ような…。

駅舎、違った空港は2階建てで、
通関も改札口のような雰囲気でした。

フィレンツェ駅近くにホテルを取って
いたので、そこまで行こうと思って
タクシーを探しましたが、なかなか
来ません。

到着したのは夜の21時過ぎくらい
だったので、けっこう焦りましたが
何とかタクシーに乗ってホテルに
向かいました。

フィレンツェには以前にも来たことが
あったので、どんな街なのか大雑把
な知識はありました。

もうひとりが翌日に遅れて来ることに
なっていたのですが、それなりに不安
だったことを覚えています。

タクシーでの道中もかなり暗くて、
街路灯もあまりありません。

ましてやイタリア語なんて全く話せま
せんから、駅前に着くまでは安心でき
ませんでした。

ホテルはけっこういいホテルを予約
してあったので快適でした。

バスタブもありましたし、シャワー
ルームもありました。

翌日、後から到着した人とも合流しま
した。

それからフィレンツェの名所旧跡など
を歩き回って撮影をしました。

到着3日目にはフィレンツェから
シエナに行く予定になっていました。

シエナに行く日の朝、カフェでお茶を
飲んでいたら、とても品のいい高齢の
イギリス人女性二人組と近い席になり
ました。

本当にノーブルで美しい方々だった
ので、思わず「お綺麗ですね」と
話しかけたら、とても喜んでくれて
話が弾みました。

年齢を重ねて美しくなる、という
ことは、こういうことなんだ、と
いたく感動しました。

フィレンツェからシエナまでは200
㎞くらいでしょうか?

タクシーに乗って2時間ほどはかか
ったかと思います。

シエナは中心地にある扇形をした
カンポ広場が有名な中世の街です。

マンジャの塔という建物があり、そこ
からは街が一望でき、素晴らしい眺め
です。

とは言え、塔のいちばん上まで上がる
のは、それなりに大変です。

降りてくる人とすれ違うのも一仕事。

狭い階段をかなりの段数を上らなく
てはいけません。

やっとの思いで塔の屋上に着くと、
なんと日本人のおばさんたち数人が
敷物を引いて、いろいろなものを
食べながら大声で話をしていました。

たくましいなぁ…。

そんなことを思いながら、街の景色を
撮影して塔から降りました。

さすがに上り下りで疲れたので休憩
しようということで、カンポ広場の
カフェに入りました。