「あれはアイだったのか?」7−2(後編)
その前に、ちょっと待って。
キャロル・キングのレコードをレコードプレーヤーに載せた。
いちばん気に入っていたアルバム。
「Tapestry」
このレコードが終わるまでに済ませてくれよ。
そう、BGMは大切なんだよ。
スギウラは、尻を出したままレコードに針を落とす私を見ていた。
あいつが唇を押しつけてきた時、なんでだろう?
ま、こんなものなのかな、って思って、一瞬スギウラがかわいく思えた。
力が抜けた。
って言うより、もうどうにでもなれ、って感じか。
スギウラはやたらと焦っていて、その様子がめちゃ面白かった。
明らかに何をどうすればいいのかが分かっていなかった。
キスはした。
次はどうするんだ?がんばれスギウラ!
その時の状況をざっと説明すると。
私は下半身丸出しでキスされて、覚悟を決めた。
それじゃ、いくらなんでも乙女には辛いから。
お気に入りのレコードをかけてムードづくりにかかったわけさ。
その間、かわいいお尻を出したまま。
今、その姿を思い出しても十分に笑えるし。
からのスギウラ!
私のベッドに寝転んで、私を手招きした。
おいっ!裸のマハみたいだな。
仕方ないから隣に寝てやった。
スギウラは急に無口になって口をもぐもぐさせていた。
小さな声で何か呟いていた。
こいつ段取りを考えてんな。
まぁ、何でもいいから早くやってくれ!
どうやら段取りが決まったようで、スギウラは私の上着を脱がせにかかった。
気に入っていたメルローズのピンクのニット。
あいつは、それを脱がそうとして首の辺りを引っ張った。
ニットが伸びてしまうのが嫌だったから、じぶんで脱いだ。
それから片手でブラのフックを外そうとした。
上のフックは外れたけど、下のフックはだめだった。
笑いながら、それもじぶんで外すことにした。
さて、これで私は正真正銘のすっぽんぽんだ。
ところで、この「すっぽんぽん」て言葉は誰が考えたんだろ?
確かに丸裸になると、すっぽんぽん!て感じがするし。
そんなことを考えていたら、猛烈な勢いでスギウラが服を脱ぎ始めた。
いかにも名門大学の卒業生です、みたいなチルデンセーター。
上手くもないのにテニスラケットを持ってそこら辺を歩いていそう。
チノパンも手早く脱いで、ラルフのボクサーパンツ。
ストリップの踊り子さんよろしく脱いだ服を放ってた。
ラルフは固くなっているじぶんにひっかかってなかなか取れない。
びよよよよ〜ん。
やっとこさ素っ裸になれたぜ、スギウラ!
触られたり、吸われたりしているうちに濡れてきた。
自分の意志なのか、そうでないのか?
よく分からないけど濡れたことに間違いは無い。
そうこうするうちにスギウラが入ってきた。
ぬるっ、って感じかな。
ちょっとした抵抗があって、しばらくしたら通過した、みたいな。
シーツには小さなピンクがかった記が残っていた。